主人から米農家への話を聞いたのは、病状が改善し退院が見えて来た頃でした。
私も長年勤めた仕事を退職していましたが、何よりこれからは主人のやりたいことを思い切りやって欲しいという願いにも似た思い、そして先のことなんかどうにでもなるという思いで私も心を決めました。
そうして始まった、第二の人生、主人と歩む米農家。
私の実家も兼業農家で農家の営みは好きでしたが、本格的に取り組むといろいろと大変なことも、互いの思いが強過ぎて言い争いになることもありますが、今では主人と共に米農家を営む喜びをかみしめています。

私は昔から調理が大好きで、和食・洋食にかかわらずいろんなものを作ってきましたが、むかしながらの手作りの農家の味わいも本当に大好きでした。
そんな私をよく知る主人からの提案で、夫婦力を合わせ「たくあん」や「干しいも」などの手作りの農家の味わいの販売を始めました。
無添加のむかしながらの手作りに徹底的にこだわった、なつかしい味わいには次第に固定客も付き始め、今では農家の枠を超えた手作りジャムなどを含め、本格的にさまざまな手作りの味わいの販売を始めています。
食材本来の味わいをていねいに紡ぎだす手作りの味わい、本当に手がかかってやめたくなることもしょっちゅうですが、その味わいは格別です。
今ではすっかり主人以上に夢中の私です。