石川県でも白山を望む景観の美しさで人気の木場潟。
私たちはその木場潟を臨む木場町で、有機JAS制度に基づく有機米、特別栽培米、慣行米を生産しているちっちゃい米農家です。
ちっちゃい農家だからこそできる細やかに行き届いた自然にこだわった米作りはもちろん、「顔が見える」「農地が見える」「作業場が見える」ご安心頂けるお客様とのつながりを目指し、夫婦二人三脚、力を合わせ取り組んでいます。
また、むかしながらの農家の味わいを始め、さまざまな手作りの味わいの販売も始めています。
私たちが目指すのは、かかりつけのお医者さんが身近で頼れる親しみやすい存在であるように、お客様にとって身近で安心な「かかりつけちっちゃい農家」。
何より、お客様に心からそう思って頂けるように私たち自身が成長し続ける「永遠のふたば農家」でありたい。
私たちはそう思っています。
私は農家の長男に生まれ、米作りに一生懸命に頑張っている両親の後姿を見て育ちました。
その頃の田んぼには雑草も多く生えていましたが「タニシ」「どじょう」「ザリガニ」「ホタル」などたくさんの生き物がいました。
学校を出てからは地元のJAに勤めるかたわら兼業農家を営み、農業に関する色々な事柄について学び、経験を積んできました。
いつしか気が付くと、田んぼには一本の草も生えておらず、生き物自体が全く見当たらないようになっていました。
小川にいたたくさんの魚も、ほとんど消え去ってしまっていました。
50歳に差し掛かる頃に私を襲った大きな病。
この先どうなるかも分からない闘病生活が始まりました。
家内にも大変な苦労をかけた不安で辛い闘病生活でしたが、病状が改善し夢にまで見た退院の日を迎える事ができました。
そしてそれは、何をおいても健康であることが一番であること、そして食の安全の重要性、そんな当たり前のことを身をもって痛感させられる大きな出来事でもありました。
いつしか私の中で、腰を落ち着けて健康を害しない本当においしい米作りに取り組もう、その思いが強くなって行きました。
正直不安もありましたが、家内が背中を押してくれたこともあって、長年勤めたJAを退職し、私たち熟年夫婦は心機一転、米農家への道を歩み出す決意を固めました。
まずは始めた、力を失ってしまった田んぼの有機JAS規定に則った土壌改良。
数年かけた苦労が実り、田んぼに戻って来た生き物たちを見つけた時の感慨はひとしおでした。
その豊かな田んぼで有機(オーガニック)米を栽培していると、子供の頃のような、本来の農業に戻りつつあるような気がして感無量の思いがします。
お客様が毎日口にされる主食であるお米、それが体に害を及ぼしていいはずがありません。
まずは安全であること、そして本当においしいお米であること、私たちはそれを目指して夫婦力を合わせ追求し続けたいと思っています。
主人から米農家への話を聞いたのは、病状が改善し退院が見えて来た頃でした。
私も長年勤めた仕事を退職していましたが、何よりこれからは主人のやりたいことを思い切りやって欲しいという願いにも似た思い、そして先のことなんかどうにでもなるという思いで私も心を決めました。
そうして始まった、第二の人生、主人と歩む米農家。
私の実家も兼業農家で農家の営みは好きでしたが、本格的に取り組むといろいろと大変なことも、互いの思いが強過ぎて言い争いになることもありますが、今では主人と共に米農家を営む喜びをかみしめています。
私は昔から調理が大好きで、和食・洋食にかかわらずいろんなものを作ってきましたが、むかしながらの手作りの農家の味わいも本当に大好きでした。
そんな私をよく知る主人からの提案で、夫婦力を合わせ「たくあん」や「干しいも」などの手作りの農家の味わいの販売を始めました。
無添加のむかしながらの手作りに徹底的にこだわった、なつかしい味わいには次第に固定客も付き始め、今では農家の枠を超えた手作りジャムなどを含め、本格的にさまざまな手作りの味わいの販売を始めています。
食材本来の味わいをていねいに紡ぎだす手作りの味わい、本当に手がかかってやめたくなることもしょっちゅうですが、その味わいは格別です。
今ではすっかり主人以上に夢中の私です。
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